アナログ回路(15)-トランジスタ(エミッター接地回路とコレクタ接地回路)

以前、トランジスタについてご紹介いたしました。LEDの消費電流が大きい場合、必ずしも電力元の流せる電流が足りているとは限りません。例えば、マイコンにIOピンをHiにして消費電流が大きいLEDを点灯させようとしても、電流が足りないと思います。そこでトランジスタを使用しました。トランジスタを利用して電流を増幅することで、消費電流が大きいLEDを点灯させました。下記のページを参照してください。

アナログ回路(8)-トランジスタ

本日は、もう少しトランジスタについて考えてみたいと思います。トランジスタですが下記の3つの接地方式があります。

  • エミッタ接地
  • コレクタ接地
  • ベース接地

エミッタ接地

エミッタを入出力の共通端子としてGNDにする方式です。電圧、電流の増幅率が大きく、汎用的に使用されています。

コレクタ接地

コレクタを入出力の共有端子としてGNDにする方式です。入力インピーダンスが高く、出力インピーダンスが低いので、インピーダンス変換に使われています。出力信号が入力信号の変化に追従するので、エミッタフォロワーとも呼ばれています。これは、以前下記のページで紹介した”電圧フォロワー回路”と類似した動作をします。

アナログ回路(10)-オペアンプ(電圧フォロア回路-バッファ回路)

ベース接地

ベースを入出力の共通端子としてGNDにする方式です。入力インピーダンスが低く、出力インピーダンスが高いです。少々扱いづらい回路ではありますが、高周波特性が良いので、高周波増幅の目的で使用されます。

これらの接地方式の特徴を下記の表にまとめてみました。

エミッタ接地コレクタ接地ベース接地
電圧増幅率1
電流増幅率1未満
入力インピーダンス
出力インピーダンス
入出力の位相関係反転非反転非反転

エミッタ接地とコレクタ接地は使用する機会も多いと思いますので、これらの回路を見ていきたいと思います。まずは、エミッタ接地回路からです。以前、下記のような回路を紹介致しました。

このような使い方であれば問題ないですが、使い方によってはこの回路図には問題が発生します。

アナログ回路(13)-オペアンプ(定電流回路)

前回は、微分回路と積分回路を構築しました。前回の内容に関しては下記のリンクを参照してください。

アナログ回路(12)-オペアンプ(微分回路、積分回路)

今回までに、抵抗を使用したLEDの点灯回路やトランジスタを使用したLEDの点灯回路を作成しました。前回までの内容に関しては下記のリンクを参照してください。

アナログ回路(2)-LED

アナログ回路(8)-トランジスタ

これらの回路は、LEDが発熱すると、LEDのVFが下がり、流れる電流が変わってしまいます。そこで、今回は、定電流回路を構築したいと思います。

使用する環境は下記のとおりです。

  • Windows10
  • LTspice XVII

それでは、LTspiceを使用して、回路図を作成して、回路を作成したらシミュレーションを行いたいと思います。

アナログ回路(8)-トランジスタ

前回はCR回路を作成して、コンデンサの動作をみていきました。前回の内容は下記のリンクを参照してください。

アナログ回路(7)-コンデンサ(RC回路)

以前、抵抗とLEDを使用して、LEDを点灯する回路を作成しました。抵抗とLEDを使用して、LEDを点灯する回路に関しては、下記のリンクを参照してください。

アナログ回路(2)-LED

LEDの消費電流が大きい場合、必ずしも電力元の流せる電流が足りているとは限りません。例えば、マイコンにIOピンをHiにして消費電流が大きいLEDを点灯させようとしても、電流が足りないと思います。そこで今回は、電力源を2個用意して、トランジスタを使用して、LEDを点灯させる回路を構築したいと思います。

使用する環境は下記のとおりです。

  • Windows10
  • LTspice XVII

それでは、LTspiceを使用して、回路図を作成して、回路を作成したらシミュレーションを行いたいと思います。

下記のような回路を構築しました。電源は直流5Vです。トランジスタは2SC5658を使用しました。

シミュレーション結果は下記のようになります。